最先端のビジネス知見を語る『NewsPicks×J-WAVE』 ゲスト:大室正志

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「僕褒められて伸びるタイプなんですの叱り方」について

「僕褒められて伸びるタイプなんです」の叱り方

産業医として数多くの方のメンタルケアを行ってきた大室さんは、職場の人間関係において、褒めることと叱ることのバランスが重要であると説きます。

日本人は褒めることが苦手とされていますが、褒めすぎもよくありません。なぜなら根拠のない自信につながるからです。かといって、必要以上に叱るのも逆効果です。

そこで、大室さんが提案するのは、小さな褒めと叱りを適切に使い分けること。新入社員には、できることをできたときに褒め、できないことを叱ります。経験を積んだ社員には、成果を出したときに大きな褒めを与えます。

このように、相手の状況や立場に応じて、褒めと叱りのバランスを調整することが、効果的なコミュニケーションにつながります。

産業医の立場から見た叱り方の重要性

ビジネスマンと部下の会話

産業医として、私は数多くの社員のメンタル不調の相談を受けてきました。その際、上司とのコミュニケーションがうまくいっていないケースが非常に多く見受けられます。

日本は伝統的に、上司が部下を褒めることを良しとせず、叱ることを重視してきました。しかし、近年では上司の部下に対する叱り方もアップデートする必要があるとされています。というのも、現代の社員は多様化しており、従来の上司の叱り方が通用しにくくなっているからです。

そこで重要になってくるのが、相手に合わせて叱り方を変えることです。新入社員であれば、丁寧な言葉遣いで指導することが必要ですが、経験豊富な社員であれば、より率直なフィードバックを与えることもできます。また、外国人の社員には、欧米的な褒めの文化を踏まえた叱り方が効果的です。

つまり、叱り方においてはマニュアル的な正解はなく、相手に合わせて柔軟に対応することが求められます。そうすることで、部下のモチベーションを維持し、職場での人間関係を円滑にすることができます。

伝統的な日本式叱り方と海外式叱り方の違い

褒めと叱り

こんにちは。

NewsPicks×J-WAVEの「最先端のビジネス知見を語る」のゲスト出演時に語った、「褒められて伸びるタイプ」について、詳しくお伝えしていきます。

日本では従来、部下を褒めるよりも叱ることで成長を促す傾向がありました。これは、上司と部下の間に上下関係が明確で、部下が上司の顔色を伺っていたことに起因しています。しかし、近年では海外から褒める文化が流入し、部下を叱るよりも褒めることでモチベーションを高めることが推奨されるようになりました。

このような文化の違いは、言葉のニュアンスの違いにも表れています。日本では「まあまあだなぁ」という言葉は褒め言葉と受け取られますが、海外では単なる普通という意味合いになります。逆に、海外では「グレート」という言葉は最高の褒め言葉ですが、日本では「まあまあ」程度の評価と受け取られます。

コミュニケーションギャップによる叱り方の難しさ

職場

コミュニケーションギャップによる叱り方の難しさも、これからの時代に求められるマネジメントスキルの一つです。上司と部下の意識・価値観のずれは、言葉の受け取り方にも影響します。部下が謙虚で協調性を重視する傾向がある場合、上司の率直な叱責が辛辣に感じられるかもしれません。逆に、上司が直接的な表現を好む場合、部下は感情的に傷つく可能性があります。こうしたギャップを埋めるためには、双方が相手の立場や価値観を理解し、適切な表現を選択することが大切になります。

上司に対する叱り方の悩み

部下とのコミュニケーション

「叱り方」に正解はない。大切なのは、部下一人ひとりの性格や状態に合わせて、コミュニケーションを取るということです。部下が「褒められて伸びるタイプ」なのか、「叱られて伸びるタイプ」なのかを見極め、適切な対応をすることが重要です。上司が部下のことをよく理解し、適切なコミュニケーションを取ることができれば、部下は安心して仕事に取り組むことができ、結果的に業績向上につながるでしょう。

部下に人権がなかったかつての日本企業

上司部下関係

かつての日本企業においては、部下の存在は軽視されており、人権が保障されていませんでした。上司は部下に対して一方的に命令を下し、部下はそれに従うことが求められていました。このような環境では、部下は自分の意見を表明したり、主張したりすることができず、従順に従うことが求められていました。この状況では、部下の成長や能力発揮は阻害され、組織全体の生産性も低下していたと考えられます。

ダイバーシティの進展と叱り方の変化の必要性

叱る

ダイバーシティの進展に伴い、叱り方の変化も求められるようになっています。かつては体育会系の「喝」のような叱り方もあったかもしれませんが、今では多様な価値観や働き方の社員が増え、そのような叱り方が必ずしも効果的ではなくなっています。

産業医として多くの社員の相談に乗っている大室まさし氏は、「相手をしっかり見ること」が大切だと語っています。部下一人ひとりの性格やモチベーションを理解し、適切なコミュニケーションをとることが円滑な人間関係を築くポイントだそうです。

多様な社員の能力を最大限に引き出すためには、叱り方にも工夫が必要です。褒めるときに褒める、叱るときに叱るというメリハリをつけ、小さなことからコツコツとコミュニケーションをチューニングしていくことが大切です。

体育会系文化の叱り方の特徴

体育会系 叱り方

体育会系文化の叱り方の特徴として、文脈依存性が高いことが挙げられます。同じ言葉でも、言う人や状況によって意味が変わることに注意が必要です。また、上下関係が明確で、先輩や上司の言うことに従うことが求められる傾向があります。そのため、部下は上司の意図を汲み取る力が求められます。さらに、厳しい言葉遣いや体罰など、肉体的な制裁も伴うことが少なくありません。

文脈依存性の高いコミュニケーションと叱り方の影響

コミュニケーション

文脈依存性の高いコミュニケーションは、効果的に叱る上で非常に重要です。相手の性格や状況を踏まえ、適切な言葉や態度を選択することが大切です。褒め言葉から叱責まで、一貫した姿勢と相手の特性を考慮したアプローチが必要です。相互理解を深め、信頼関係を構築することで、叱り方も効果的に機能します。

「褒められて伸びるタイプ」の叱り方

mentoring

「褒められて伸びるタイプ」の人を叱るとき、覚えておくべき重要なポイントがいくつかあります。まず、相手を尊重し、誠実であることが不可欠です。相手の気持ちを傷つけず、建設的なフィードバックを提供するようにしましょう。また、相手の強みを認識し、それを叱責の中で利用することも重要です。さらに、具体的な例を挙げ、なぜその行動が問題なのかを明確にしましょう。そして最後に、相手の改善点を強調し、サポートを提供します。これらの原則に従うことで、「褒められて伸びるタイプ」の人でも効果的に叱責することができます。

小さな褒めと小さな叱りの重要性

上司と部下のコミュニケーション

近年では、小さな褒めと小さな叱りの重要性が注目されています。昔ながらの、大げさな褒めや叱りではなく、日々の業務の中で、こまめにフィードバックを行うことが効果的です。

上司が部下の小さな成長や努力を認めることで、部下はモチベーションを維持し、成長することができます。また、小さなミスや改善点を指摘することで、部下は自分の課題を認識し、改善することができます。

この小さな褒めと小さな叱りの繰り返しによって、部下は自分の強みや弱みを理解し、自律的に成長することができます。上司にとっても、部下の成長を把握し、適切なサポートを行うことができます。

このコミュニケーションスタイルは、部下との信頼関係を構築し、風通しの良い職場環境を作るのに役立ちます。大きな褒めや叱りに頼らず、日々の小さなフィードバックを積み重ねることが、現代の職場では求められています。

新卒社員への叱り方

新卒社員の指導

新卒社員を叱るときは、彼らがまだ仕事に慣れていないことを念頭に置いて、小さな褒めと小さな叱責を織り交ぜて適切にチューニングしていくことが大切です。大きな叱責や褒め言葉は、根拠のない自信をつけさせたり、萎縮させたりする可能性があります。また、相手のタイプや立場、調子に合わせて叱り方を変えることも重要です。新卒社員であれば、仕事ができないのは当然なので、根拠のない褒め言葉は控え、できたところを評価しましょう。また、体育会系の言葉遣いは、外国人の社員や女性社員が増えている現在は通用しにくくなっています。相手が理解できる言葉で叱るように心がけましょう。

叱り方のマニュアル化の無意味さ

職場でのコミュニケーション

叱り方のマニュアル化はあまり意味がありません。なぜなら、部下一人ひとりによって、「褒める」と「叱る」のバランスが異なるからです。重要なのは、部下の性格や調子をしっかりと把握し、それに応じたコミュニケーションをとることです。部下の弱点を指摘するだけでなく、小さな改善点を褒めるなど、適切なチューニングをしていくことが大切です。

相手を理解した叱り方の必要性

効果的なコミュニケーション

相手を理解した叱り方の必要性

日本のビジネスシーンにおいては、これまで「褒めない、叱る」という叱り方が主流でした。しかし、現代の多様な働き方や価値観の変化に伴い、効果的な叱り方の再構築が求められています。

産業医として多くの社員の相談を受けてきた大室正志氏は、「叱り方の魔法はない」と指摘します。日々のコミュニケーションのチューニングが重要であり、相手を理解し、その特性や状況に応じた適切な言葉を選択する必要があります。

特に、近年注目されているのが「褒められて伸びるタイプ」への叱り方です。このタイプに対しては、単に「叱る」のではなく、小さな褒めと適切な指摘を組み合わせ、成長を促すことが効果的とされています。

時代とともに、叱り方も進化しています。柔軟な働き方が増える中、上司と部下の関係性も変化しています。固定観念に縛られず、相手を理解し、効果的なコミュニケーションを図ることが、健全な職場環境の構築につながります。