世界初の「線虫がん検査」とは?衝撃の実態を徹底解説

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線虫がん検査(N-NOSE)とは?

世界初の「線虫がん検査」とは?衝撃の実態を徹底解説

線虫がん検査(N-NOSE)とは、線虫という生物を利用してがん細胞を検出する検査方法です。線虫は、がん細胞が放出する物質に反応して集まる性質があります。この性質を利用して、がん細胞の有無を調べることができます。

線虫がん検査は、従来のがん検査法と比べて、簡便で安価というメリットがあります。また、早期のがんも検出できる可能性があると言われています。しかし、まだ新しい検査法のため、精度や信頼性については議論があります。

尿中の線虫の動きでがんリスクを判定

尿中の線虫の動きでがんリスクを判定する「線虫がん検査」が注目を集めています。この検査は、尿中の線虫ががん細胞に特有の匂いを好む性質を利用しており、がん細胞の存在を間接的に検出します。しかし、この検査は薬局法に基づく承認を受けておらず、医療関係者の間では問題視されています。また、臨床研究の結果と実際の検査で使用されているアルゴリズムとの乖離が指摘されており、信頼性に疑問の声が上がっています。さらに、アルゴリズムの詳しい中身を知っている人が限られていることも懸念されています。この検査は、早期発見につながる可能性を秘めていますが、さらなる検証と信頼性の確保が求められます。

学会発表の結果

学会発表の結果、N-NOSE検査の感度は非常に低く、がん患者の約13%しか正しく検出できないことが判明しました。さらに、がん患者10人を対象とした試験では、全員が低リスクと判定され、がんを見逃す可能性が示唆されました。

高リスク判定者のうちがんだったのは2.4%

世界初の「線虫がん検査」として話題のN-NOSEですが、その実態は衝撃的です。学会で発表されたデータによると、高リスク判定を受けた333人のうち、実際にがんだったのはわずか2.4%でした。つまり、ほとんどの人が偽陽性だったのです。偽陽性とは、実際にはがんではないのに、検査でがんの可能性が高いと判定されることです。これは、精密検査を受ける必要がなくなり、がんの発見が遅れる可能性があるため、非常に問題です。

低リスク判定者のうちがんだったのは10人中0人

低リスク判定を受けた10人のうち、実際にがんだった人は0人でした。これは、N-NOSEの感度が非常に低く、がん患者を正しく特定できないことを示しています。この結果は、学会で発表され、業界関係者から大きな懸念を表明されています。

がん患者と健常者の尿の検査結果はほとんど重なっている

がん患者と健常者の尿の検査結果はほとんど重なっています。つまり、この検査ではがん患者の尿と健常者の尿を区別することができず、検査に使えるほどの差がありません。この内部資料は、N-NOSEのサービス開始後に自動検査装置の最適な条件を探るためにデータを解析した結果です。この資料によると、がん患者の尿と健常者の尿の検査結果はほとんど重なっており、検査に使えるほどの差がないことがわかります。

検査の精度に疑問がある

N-NOSEの信頼性を高める材料として、拾六社がさまざまな病院や大学と協力して臨床研究を実施してきたことが挙げられます。しかし、これらの臨床研究は特定のがんに焦点を当てたものであり、実際の検査で使用されているアルゴリズムは使用されていません。そのため、臨床研究の結果が現在のN-NOSEシステムの精度に直接結びつくわけではありません。このシステムの精度と信頼性は十分に検証されていないため、疑問が残ります。